あなたの好きなところ
橋本奈々未さんの好きなところ。
見た目が美しいところ。
バンギャなところ。
びっくりするくらい真面目なところ。
その割に価値観が独特なところ。
それでいて地に足がついているところ。
軸がぶれないところ。
言葉の選び方が素敵なところ。
言葉に合わせた話の仕方ができるところ。
相手を思いやる気持ちを忘れないところ。
橋本奈々未さんとの最後の握手が終わった。
1月14日。京都パルスプラザ。
これは15日の写真だけど、雪は14日も降っていて、本当に雪が嫌いな私は涙が出そうだった。
それに加え、京都の握手会場である京都パルスプラザはサイズが小さめ。
ましてや最後の全国握手会だ。
すぐに入れるはずもなく外で3時間ほど待ってから入場。
ヲタクのくせに待つことに慣れていない私は、心が折れそうだった。
そんな思いをしても会いたかったのは、橋本さんに伝えたいことがあったから。
自分の声で、自分の言葉で伝えたいことがあったから。
橋本さんの選ぶ言葉を、話す言葉を、自分の耳で直接聞きたかったから。
会場に入場したのは16時30分。
レーンが締め切られたのが18時45分。
18時40分頃レーンに並んだ。
そして握手をしたのが、20時45分頃。
案外あっという間にその時は来てしまった。
レーンの先には、ポニーテールにマスクをした橋本さん。
私と橋本さんの最後の握手。
すでにTwitterでも呟いたけれど、まだ思い出に浸らせて。笑
私:ななみん、今日で握手最後です。だから体調悪いって知ってたけど、迷って会いにきました。
橋本:うなずく
私:体調悪いのに握手会してくれてありがとう。
橋本:そんな、全然だよ!
私:たくさん握手会きたりしたわけじゃないけど、握手するたびに元気もらえてたし、ライブとかも……ななみんにすごく支えられてました。ありがとう。
この5年?くらい、本当にありがとう。
橋本:ありがとう。そう思ってもらえて私も本当にうれしいよ。
私:私は…ななみんにたくさん幸せにしてもらったから、ななみんには絶対に幸せになってほしい。絶対に幸せになってね!
橋本:お互いにね!お互いにだよ!
手を振る
最初から泣いてしまった。
泣かないで、笑顔で終わることが理想だなんてことはわかっている。
だけど、そんなこと私には無理だった。
本当に途中から涙が止まらなくて、うまく言えなかったこともたくさんあった。
橋本さんは、泣きながら言葉に詰まる私をひたすらに、しっかりと見つめてくれていた。
そして、優しい口調で言葉を返してくれた。
最後の終わり方は本当に橋本さんらしいと思った。
「幸せになってね!」なんてどこの馬の骨か分からないようなヲタクに言われたのに、「ありがとう」ではなく、「お互いにね」と返してくれるのが、本当に橋本さんらしい。
この人が本当に好きだ、と思った。
きっとこれから先、私と橋本さんはこうやって目を合わせて、言葉をやりとりすることは一生ないだろう。
なのに、この最後のやりとりで改めて好きだ、と思わせてくれるなんて本当にずるい。
でも、最後まで好きで居させてくれてありがとう。
大好きな橋本奈々未さんのままでいてくれてありがとう。
「サヨナラの意味」の歌詞の中に、こんな歌詞がある。
「思い出は今いる場所に置いていこうよ」
今の私にはそんなこと出来なさそう。
しばらくは橋本奈々未さんとの思い出に浸らせて。
せめて、2月20日のその日を迎えるまで。